５月英貿易赤字

英政府統計局（ＯＮＳ）が９日発表した５月の英貿易統計によると、対欧州連合（ＥＵ）域内を含めた全体の財の貿易赤字は季節調整済みで75億ポンド（約１兆5900億円）と、前月から変わらずとなった。
輸出が増加したにもかかわらず、輸入が２年ぶりの高水準となったことが影響した。

信用コスト上昇が幅広い経済に影響を及ぼしたことを受け、ポンド安でも貿易収支の改善にはつながらなかった。
ネーションワイド・ビルディング・ソサエティーが同日発表した６月の英消費者信頼感指数は、インフレ加速と景気減速の影響で、少なくとも４年ぶりの低水準まで落ち込んだ。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループのエコノミスト（ロンドン在勤）、ロス・ウォーカー氏は、将来的には「一般的に貿易赤字の着実な改善がみられるだろう」との見方を示し、「外需よりも内需が弱まり、ポンド下落が輸出を押し上げるだろう」と語った。

５月の輸出額は286億ポンドと、2006年５月以来の高水準。
輸出は210億ポンドに達し、ほぼ２年ぶりの高い水準となった。
地域別では、ＥＵ域内向けは輸出が1.7％減、ＥＵ域内からの輸入は0.8％減少。
ＥＵ域外では、輸出が5.8％増、輸入が３％増。

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