９月対米証券投資

米財務省が18日に発表した９月の対米証券投資統計によると、外国の政府と投資家の中長期金融資産取引額は外国人からみて662億ドルの買い越しとなった。
予想は272億ドルの買い越しだった。
前月は210億ドルの買い越し。
米国債の保有額では中国が日本を抜いて首位となった。

財務省短期証券（ＴＢ）や株式スワップなど短期金融資産を含む金融資産の合計は1434億ドルの買い越し。
前月は214億ドルの買い越しだった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア通貨ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏（ニューヨーク在勤）は「対米証券投資統計の詳細は予想よりもはるかに良かった。中国などからの米資産への需要は予想よりも強い」と述べた。

ポールソン米財務長官が９月に議会指導部と２週間にわたり、金融安定化法案をめぐり協議を続ける中、株式相場が下落し、米国債相場が上昇していた。

中国の投資家の米国債保有額は436億ドル純増の5850億ドル。
一方、日本は128億ドル純減の5732億ドルとなり、首位と２位の地位が入れ替わった。

米住宅金融大手ファニーメイ（連邦住宅抵当金庫）とフレディマック（連邦住宅貸付抵当公社）など機関債は62億ドルの買い越しに転じた。

米国株は115億ドルの買い越しとなった。前月は９億8200万ドルの売り越しだった。
外国人投資家による米社債の売越額は76億ドル（前月は131億ドルの売り越し）に減少した。

米中長期国債は207億ドルの買い越し（前月は347億ドルの買い越し）。
そのうち、外国政府機関による買越額は49億ドル（前月は48億ドル）となった。

米連邦準備制度が算出している貿易加重平均のドル指数は９月に1.9％上昇（８月は4.5％上昇）した。
Ｓ＆Ｐ500種株価指数は9.1％安と、2002年以来で最悪となった。下落は過去５カ月で４度目。

米10年物国債の利回りは９月に平均で3.68％。８月の3.88％から低下した。
メリルリンチの米国債マスター指数によると、米国債の投資収益率は９月に1.8％と、１月（2.5％）以来の高水準となった。

中東など国際投資家の資金の経由地となる英国の投資家の米国債保有額は 303億ドル純増の3384億ドル。

９月の米貿易赤字は前月比4.4％縮小の565億ドルと、ほぼ１年ぶりの低水準となった。

タグ：９月 対米証券投資